子供と母

 

 

不妊治療にあたっての食事指導、当院では

「食べたいと思うものを、気持ちいいと思える分量まで食べる」

とお伝えしています。素直な身体の声を聞く練習ですね。

 

量をたくさん食べて、苦しくなるのもまた間違い。

お腹が満たされてちょうどいい、気持ちいいと思えるくらいに

食べる。これが一番、身体にいい食べ方だと私は思います。

 

そして妊娠するにあたって一番大切な事。

「ストレスから解放される」という事。これはとても難しい

です。その人にとって何がストレスかという問題もまた、

自分に聞く、自分の心の声を聞くという作業になります。

 

不妊治療をする時は仕事を辞めたほうがいいという意見もよく

聞かれます。これも私は人それぞれだと思うんですね。

家に一人でいて、ひたすらストイックに身体に良いと言われて

いる事を続けるのって、結構ストレスになるんですよ。

 

人と一緒に働いている方が楽しい、家で鬱々と子宮と向き

合っているのはツライという方には、私は仕事をしながら

不妊治療を勧めています。

 

しかし、帰宅時間が遅くなる、休みがない、肉体的にも

精神的にもツライ職場であるというなら、やはり辞めた方が

良いと思います。どちらが自分にとってストレスとなりうるのか。

これも自分の心に問わねばなりませんね。

 

昔、不妊治療に来られていた患者さんで、早く妊娠しなければ

いけない、仕事もやめた、基礎体温もつけている、排卵日は

確実にチェックしている、人工授精もした。ありとあらゆる事を

試しているが妊娠しないと、泣きながらに訴えていました。

 

子供さえできれば幸せになれる!子供ができない私には意味が

ないと思い詰めた結果、鬱病を発症し、妊娠どころではない

話になってしまったんですね。

 

治療を続けて約4ヶ月でしょうか。鬱病の診断が取れないまま

「私、もう諦める。離婚する。一人で生きていく!」とどこか

吹っ切ったように笑顔で話された、その1ヶ月後に妊娠したと

いう報告を聞いた時に、現代医学では未だ解決できない事が

あるのだと痛感しました。

 

と同時に、ストレスがいかに妊娠に悪影響を与えているのかも

思い知った次第です。その後、無事に元気なお子さんを出産。

今は育児で幸せなノイローゼ((笑))に追われているそうです。

 

当院では不妊治療は鍼灸だけではないと思っています。

自分の心と身体と向き合い、自分の本当の声を聞くという

大切な作業のようにも思えます。

 

妊娠できない事はある意味、自分と向き合う大切な時間を

与えてもらっているのではないか・・・とも思えるような

事が多々あります。

 

私は閉経するまで妊娠するチャンスはあると思っています。

(高齢ほどリスクが高いのは否めません。ただ、妊娠しないと

言いきれないと思います)それほどまでに、女性の身体は

柔軟で、変えたいと思えば変われるだけの強さを秘めています。

 

妊娠でお悩みの方、身近に悩んでいる方がいらっしゃる人。

ぜひ、ご相談くださいませ。

 

*ひなはり灸治療院*