このツボにお灸をすると、痛みが取れる!
なんて情報をよく見るようになりました。
東洋医学が見直されてきたのは嬉しいこと
なのですが、そう安易に効く!とは言い難い
のがこの世界の難しいところです。

ツボは経絡という気や血の流れのよく集まる
ポイント、と表現されます。この部分を
刺激することで、体に様々な変化を起こさせ
痛みや病気、症状を治していくのが鍼灸
治療になります。今は研究が進み、副腎皮質
ホルモンが増加したり、副交感神経が高まる
ことで、リラックス効果を期待できるように
なりました。

当院でも、どこのツボにお灸するといいです
か?といったご質問も多いですね。
不妊症や体質改善などを目的とした方にも
毎日自分でお灸をするのは大いに効果が
あると思います。ここで大事なのが、どこの
ツボにどれだけの熱さのお灸をするか
です。

人それぞれ体質があるように、その体質に
沿ったお灸やツボ押しをするのが、ツボを
効かせるコツ
になります。この部分は熱さを
我慢しないくらいで取ってください、ここは
少し熱いくらいの方が効きますよ、など。

頭痛のツボ1つをとっても、太衝・天柱・
合谷・陽陵泉・陽輔・豊隆等と、それぞれに
ツボの効果の違いがあります。面白いのが
何が原因の頭痛かで、使うツボの種類が
変わる
ということ。自分がどういったツボが
一番効くのかを試してみてもいいかもしれません。

リラックスを目標としてお灸をするなら
あまり熱すぎない方がいいでしょうし、
明らかに凝っている場所にコリやしこりが
ある場合、少し熱め(火傷をしない範囲で)
の方がほぐれすいかもしれません。
かもしれません、と書くのは、実際にやって
みて、自分の体の変化を感じること
が一番
大切だと思うからです。

昔、患者さんの1人が「胃が痛くて調べて
足三里という所にお灸をしてみたけど全然
効かなくて、公孫というところにお灸をして
みたら、急に胃痛が治って食欲が出て、眠く
なった」という方がおられました。公孫と
いうツボの特性を自身で体感されたとても
良い体験談を聞かせて頂きました。

いきなり自分にバッチリ合うツボ!という
のはなかなか難しく、私たちも色々とお話し
やお体を診せてもらいながら考え抜いた上で
ツボを厳選していく作業が多いもの。
自分の健康のために、まずは色々と試して
みる、というのはお灸に限らず人生全般に
通じる真理なのでは、と思う今日この頃です。

*ひなはり灸治療院*